試験プロトコル Method
投与プロトコルの作成
試験に使用したiPRECIO マイクロインフュージョンポンプ(以下ポンプ)15台は、即時可変モード(Instant/Variable
mode)で3ステップ(1μl/h、15μl/h、30μl/h)に設定しました。投与プロトコルの設定はiPRECIO マネジメントソフトウェアver.1.1,
rev.349で行いました。加えて、試験期間中におけるポンプ自体(チューブ含む)の水分蒸発量を補正する為に、液を充填した停止ポンプ3台をコントロールポンプとして経時的に重量測定しました。
生体内投与環境の再現
試験期間中は、試験ポンプ15台とコントロールポンプ3台は38℃インキュベータ内に配置され、各ポンプのアウトレットチューブには、生体内静脈投与を想定して80cmH2Oを加圧しました。
吐出性能の評価
ポンプの吐出性能は、ポンプ重量の変化から評価しました。0.9%生理食塩水900μlが充填された投与開始前のポンプ重量(イニシャル重量)を微量天秤で測定し、生理食塩水が吐出されることにより減少したポンプ重量から、ポンプ吐出量を算出しました。ポンプ自体からの揮発量は、コントロールポンプの重量変化から得られた蒸発曲線で補正を行いました。試験ポンプはリザーバが空になる前に、38℃に暖めた生理食塩水を再充填し、その後のイニシャル重量としました。
ポンプ精度の算出
各フローレートにおける実測総吐出量の平均値(Av)とスケジュールされた理想総吐出量(Sv)を比較して、総吐出量精度としました。加えて、各フローレートにおける実測平均値の近似線の傾き(As)と各フローレート(Ss)を比較してフローレート精度としました。
総吐出量精度(%)= (Sv-Av)/Sv×100
フローレート精度(%)= (Ss-As)/Ss×100
試験結果 Result
赤点:ポンプ重量の実測から得られた吐出全量平均(N=15, ±SD)
青線:プログラムされた吐出全量の理想値(点線は±5%)
各フローレートにおける実測吐出全量平均の近似式:
1.0 μl/h: y = 0.9981x + 1.111 (N=14)
15.0 μl/h: y = 14.62x + 3.6905 (N=15)
30.0 μl/h: y = 29.3x - 1.3982 (N=15)